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「この仕事をひとことで言うなら?ガテンかな!(笑)」。
大きな笑顔でこたえる田島氏に、気取りはナシ。

食品や料理の撮影に関するすべてのセッティングから調理まで、マルチな資質が求められる職業“フードスタイリスト”について、本音で語ってもらった。



持ち前のタフな体と
コミュニケーション力が、
いいスタイリングを創りだす。



フードスタイリスト・田島 富佐江
fusae tajima

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「毎日がキャンプの準備みたい」。と、田島氏。撮影現場には、“料理や食品をより美味しそうに魅せる”ための小道具・大道具を満載したワンボックスカーで駆けつける。

食器やカトラリー、クロスなどの定番アイテムはもちろん、設備の整っていない場所には、水のタンクやガスコンロも持参。時には、窓枠や障子戸を用意することも(!!)。頭の中の引き出しに、食器屋の膨大なデータや“時代のトレンド”を詰め込むことも忘れない。

「視覚だけで美味しさを感じてもらうのが写真。あらゆる道具と効果的な盛り付け、色づかいを駆使して、シズル感を演出する」。チーズにボンドを混ぜて“伸び”を表現、三つ葉に防水スプレーを吹いて味噌汁に浮かべる、なんてアイデアは、「ピンチの時に限って閃く」とか!この度胸が信頼を呼ぶゆえん。
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撮影前夜の仕込みに始まり、荷物運び、早朝から深夜におよぶ、中腰姿勢でのスタイリングに調理…。疲労のピーク時には、まさに筋肉でアイデアを搾り出す!?自他共に認めるタフな体は、中学生の頃より続ける剣道の稽古の賜物だ。

「シビアな現場では、いっそ、クライアントやカメラマンとの会話を楽しんでしまう」。そこから、“求められていること”を感じ取り、スタイリングに映すのが“田島流”。「クライアントの意向や時間の制限があるなかで、ほんのりと田島らしさを出せれば嬉しい」。美味しさが直球で視覚に届く、シンプルなスタイリングが一目置かれる。

「あらゆる経験が仕事に生きる」と、毎日を好奇心旺盛に過ごす田島氏。現在は、“キレイだけじゃない”極ナチュラルなスタイリングに興味津々とか。「美味しそうな写真って言われたい!」その冷めやらない情熱が、今日も現場へと駆り立てる。